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夏の岩手3

夏の岩手3

三陸道から沿岸部とアジア民族造形館 / 早池峰山の固有種と紫波町 / 岩手山登山から帰路へ

2023/8/18の記録

目覚ましをかけていたが、止めてからまた眠ってしまった。
隣の車の音で目が覚めた。
夜の間雨が降ったのか地面が少し濡れていて、あたりはガスっていた。
少し寝坊をしたが、5時に柳沢(馬返し)コースで登山開始。

気温は高く、湿度もあって蒸し暑い。鬱蒼とした樹林帯の麓のあたりは風もなく息苦しかった。蚊や蜂が顔のあたりにブンブンまとわりついてくる。
しばらく歩いてから「0.5合目」の標識を見て嘘でしょ…と思った。暑さのせいが大きいと思う、今までで一番しんどかった。

登りは旧道。開けて、赤土でザレる場所に出た。振り返ると雲海が広がっていて、頭だけ出ている山が見えた。方向と高さ的に、多分前日登った早池峰山。ときどき里の畑や田んぼのパッチワークが見えた。青空は見えるが雲は多い。日差しがどんどん強くなってきて暑い。

左上に見えるのが早池峰山っぽい

下の方は○合目の間隔が広く感じたが、登るにつれてすぐ辿り着くようになった。車中泊でしっかり眠れていないのもあって、傾斜もそこそこあるひたすら登りの道がしんどい。
だんだんと木の高さが低くなってくる。お花がたくさん咲いている。

しばらく歩いて八号目避難小屋に着いた。湧水をいただいた。冷たくて生き返る。
山頂のほうは青空が見えていたが、雲の流れが早くて見える景色は変わりやすそうだった。

お花畑が広がっている。たくさんの蜂が蜜を吸っている。
それ以降、火山らしい道を九十九折で山頂まで。低空飛行の、尾がグレーの鳥がちらほら飛んでいて気になった。よたよたとしていた。
お鉢まで来ると、等間隔にお地蔵さんが並んでいた。すべて、同じ方向を向いている。(北側?)

雲の中を歩いて、山頂に到着した。
時折雲が晴れて火口の底の方や遠くまで見渡せることもあった。風はそこそこ強かった。
山頂からは他の山は見えなかったが、火口付近はとてもよく見えた。
ここにも、早池峰山と同じく剣がたくさん祀られている。気になって後で調べたが、なぜなのかわからない。
雲が晴れるのを待って、昨日ビッグハウスで買ったおにぎり弁当を食べた。状況は変わらず、お鉢をぐるりと一周して、岩手山神社奥の院を遠目に見て拝んで、下山。

小屋まで戻ってきて山頂の方を振り返ると、上りの時よりも雲が増えていた。
また湧水をいただいて、財布を忘れたので小屋では何も買えず、新道で下った。

旧道とは違って樹林帯の中を歩く感じ。日が出てきた時間だったので、こちらの道のほうが涼しくてよかったと思う。

下山後、湧水を飲んだり顔や靴を洗ったり水をペットボトルに汲んだり存分に楽しんだ。冷たくて美味しい水が勢いよく溢れていて最高。

12時前に下りてきたのでちょうどお昼どき。
温泉に向かう途中にあった中華そば屋さんでチャーシューの厚みハーフ&ハーフの中華そば+味玉を食べた。にぼすや粉末で味変できた。おいしい、今求めていた味。

おらほの温泉は、たまたま今日が18日で8のつく日だったので、八幡平の日ということで300円で入浴できた。安すぎる。
広い宴会場や大時計があって、脱衣所もとても広い。点いていない石油ストーブが置いてあった。年中あるのか?
浴場は、お湯を張っていない浴槽がいくつかあり露天風呂も中止で縮小してやっていた。地元の方々がたくさんいて、洗い場は混んでいた。ドイツ式の熱いサウナも、打たせ水的なものがある水風呂も賑わっていた。
サウナでは、各家のお盆の様子や近くの他の温浴施設の情報交換などされているのを横で聞いていた。憩いの場だった。
掛け流しの温泉は、その日は42度で熱めでちょうどよかった。日々温度が変わるそうだ。隣に大きな水風呂もありのびのびできた。
洗い場の上の壁を見ると、宮沢賢治っぽい男性、星空、汽車、など童話にゆかりのあるモチーフが描かれていた。年季が入っていそう。
この施設は元々ゲンデルランドというそうで、幹線道路沿いにはその名称で大きな看板が立っていた。八戸の実家に帰り父に聞いたら知っていた。(「元気が出るランドの略のところでしょ?」と言ってたが真相不明)

帰路。
ICを目指してナビの通りに進むと工事中で通行止めの箇所にぶつかった。
誘導されるがまま予定していなかった道に乗って、ICまでの道をナビで再度ルート検索するとかなり遠回りな道を指定してくる。あまりにも遠いので次のICから高速に乗ることにして指定すると、もう山道は通らないと思っていたのにまた「安比高原レインボーライン」という山道を通ることに。
田舎道から急に別荘地の景色になる。シーズンオフのスキーリゾートは静かだった。

安比高原リゾートはリクルートの人の仕事だったのかと知る。Wikiの序盤からロッキード事件やリクルート事件のワードが並ぶ。その時代の話。

バブル景気や四駆ブームの頃、首都圏ナンバーの自動車にウサギのマークと「APPI」と切り抜かれたステッカーを貼るのがお洒落であり流行した。

安比高原スキー場 - Wikipedia

ここのロゴを作ったのは、東京オリンピックのロゴが最も有名な?亀倉雄策。

スキー場のコース設計から、エリア内の建築物、インテリア、サイン計画、店舗のロゴタイプなど、すべて亀倉の手によるもので、グラフィックデザイナーが関与した建造物としては最大規模を誇るものといえるでしょう。

亀倉雄策没後十年記念展IN安比 | FAJP / フライヤー・チラシのグラフィックデザイン参考サイト

リクルートが運営から撤退した後、のぼりべつクマ牧場などを運営する北海道の加森観光に売却したようだがまた運営会社が変わったようだ。

安比高原スキー場は多分行ったことがない。東北随一の規模のスキー場、いつか行ってみたい。

高速に乗ってから急な豪雨に遭った。渋滞もなく、予定通り到着した。

内陸の方に来てからは、独立峰である岩手山の圧倒的な大きさ・存在感に感服していた。これはそりゃ信仰の対象にもなるし、皆の心象風景に影響するだろうと思った。

岩手山でも百名山バッジを買いそびれたし、焼走のほうや南の小岩井側のほうからのルートも気になるのでまた来たいと思う。移動中ずっとついてきてるように見えた遠くの山の連なりの北端、とがった姫神山も気になる。音楽ユニット「姫神」の由来になっている山。バンビーノのダンソンがブレークしてよくテレビで見るようになったときあの曲を聴いて「あれじゃん」と思った。子どもの頃に見た、文化ホールでコンサートをやるよ的なCMであの曲が流れていたと思う。インパクトが強かった。

姫神山に関しては、岩手山と早池峰山との三角関係神話もあるようだ。

みちのく民話伝承、岩手の山々と姫神山…不実の男神岩手山と女神姫神山の、早池峰山を巡る争い – みちのく悠々漂雲の記