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一年で一番好きな時期

一年で一番好きな時期

毎年言ってることだけど1、クリスマスが終わってから年越しまでが一番好き。この時期冬晴れが多くて空気が気持ちいいのもあるかもしれないけど、街のにぎやかしい装飾が減って粛々と年の終わりに向かっていく雰囲気が好き。会社のエントランスにあったクリスマスツリーは門松に替わっていた。

今年のクリスマスの週末は、例年よりもそれらしいごはんは作らず(送られてきたローストビーフと買っておいたチーズは食べて、唐揚げとフライドポテトをつくった。ショートケーキは失敗したが)、丹沢山に登って去年見かけたサンタ帽の集団を見ることもなく、M-1も見なかった。テレビは遠くに置いて日常的に見なくなったので、適当に流して年末特番や歌番組も見ることがない。そんな感じで年末感が醸成されずに今年の労働もあと1日となった。

スポンジが膨らまなくておいしくなかったショートケーキ スポンジが膨らまなくておいしくなかったショートケーキ

月曜、クリスマスの日、会社全体の忘年会には行かず、この日行かないともう行ける日がなかったので今年最後の通院。毎日飲んでいる薬がもうすぐなくなるところだったのに気づいたのが数日前だった。
帰宅ラッシュの田都の満員電車具合が本当にきつい。人がもうこれ以上縮まらないくらい固く圧迫される。乗っている数分間でどっと疲れた。田都沿線には絶対に住みたくないと思ってしまう。
受付にぎりぎり間に合った。いつもよりかなり混んでいて、予約できずに駆け込みで来ている人が多いようだった。待ち時間の間に外出して歩いていたら、「ただいまの時間全品10%オフ」の張り紙を見かけて、パン屋に吸い込まれた。そのあとスーパーへ行き食材を購入。並んでいる人はそんなに多くなかったのに、レジ列に10分弱も並んだ。
診察はすぐに終わり定期処方、外へ出るとちょうど次のバス停にバスが来るところだったので走って間に合った。1人待ち人がいなければ乗り逃して、歩いて帰ったほうが早いという状況になっただろう。

パン屋で明日の朝ごはん用に買ったはずのクロワッサンは、帰宅してすぐ空腹に耐えられず食べてしまった。
ごはんを食べてから、明日以降のごはんを作り置きした。
この日のNTSの番組がよかった。Melancholy Christmas→Festive Jazz→Reggae Christmasと続けて聴いて、眠った。

Festive Jazz

火曜、最後の開発定例で皆一言ずつ挨拶した。少ししんみりした。
帰り道、買いたい物があって駅前のドラッグストアに寄ったけれど欲しかったものは無かった。売り場の棚の中でそこだけ減りが早いシートマスクがあって、「良いものなのかな?」と思って手に取った。あと、気になってた保湿下地も。原宿で働いているとき、よく帰りにアインズ&トルペに寄り、美容用品をいろいろ買ってストレス発散していたことを思い出した。疲れて思考力が低下しているときの衝動買いはあまりよくないと学んだ。でもシートマスクはいくつあってもいいから。

遅くまで会社にいて、寄り道もしたので21時前くらいに夜ご飯を食べた。冷蔵の作り置きと冷凍のごはんをチンして、味噌汁だけつくった。余っていた水菜とえのきを適当にたくさん入れた。
Yが帰ってきてから、買ってきてくれていたクラフトビールとサラミを食べながら話をした。最後物足りなくてカップラーメンを半々食べた(多分半々…)。夜ご飯は食べたのに。この、飲んだ後しっかり食べがちなところ来年はちゃんとしたい。
食べ終わったのが遅かったので、お風呂に浸かってストレッチをして本を読んでいつもより遅い時間に眠った。

最近、寝る前に「貧困旅行記/つげ義春」を1章くらいずつ読んでいる。
この間古本屋で見つけて買った。数年前に伊香保温泉の本屋でYが買った「温泉まんが」という本を借りて読んで、それに収録されていたつげ義春の漫画がよかったので、これを見つけたときは買いだ!と思った。この本は漫画ではなくエッセイ。
最初の話は衝動的で厭世的、感傷にひたりたがりでドラマチックだが、所帯を持った後、一人旅でも家族旅行でもほかの同行者と一緒でも、それ以降の話は淡々としている。登山で訪れたことのある東京近郊の山や土地のことが多く書かれていて、わかる。想像できていい。奥多摩や丹沢、東京寄りの山梨(上野原や秋山、大月のあたりなど)。自分が関心を寄せている「鉱泉」もよく出てきた。筆者は人や景色のことをよく見ている。思ったことを飾らずに書いている感じも良い。
いかにも観光地的なにぎわいの温泉地も好きだが、鄙びて趣のある(といえば聞こえは良いが、寂れているというか、昭和の名残のあるような…)静かな温泉地のほうが自分も惹かれるので筆者の好みはわかるなぁ、と思えた。このエッセイは半世紀も前、昭和真っ只中の旅行なので、私が好むもの・見るものとはまた少し違うところもあるだろうが…
絶景や美味しいご飯、清潔でセンスの良い調度品が揃った部屋は要らない旅も良い。ただここではないところへ居たい、日常から離れられればそれでいいということ。どこへ行っても余所者であるとき、一人だ、孤独だということが強調される。

作中には出てこないが、数年前に行った群馬の老神温泉のことを思い出す。車中泊するつもりでいたが直前に宿を取って泊まった。静かでいいところだった。町にはヌード劇場の廃墟があり、他に旅館が数軒と飯屋も数軒あった。宿は家族で経営されているようで、若い女将さんは優しげな人、部屋はおじいちゃん家のような安心感があり、古い畳のにおいとちょっと湿気た座布団、石油ストーブのにおいが懐かしかった。妙に落ち着いた。こじんまりとした浴室だったがとくに温泉がとてもよくて、芯から温まった。素泊まりで予約していたが外の飯屋は臨時休業でどこも空いていなかった。ビールを飲んでしまった後だったので車で食べに行くこともできない。そのことを女将さんに伝えるとまかないのご飯を出してくれた。あたたかくて沁みた。外は肌寒く、ストーブで温まった部屋で瓶ビールを飲みご飯を食べながら、まだ初秋だったが「年末のようだな」と思った。

つげは、川崎長太郎を愛読し、その文体にも川崎の影響を表しているものも多いが、特にこの作品での「てにをは」を省く文体は川崎長太郎独自のもので、その影響が強くうかがえる
貧困旅行記 - Wikipedia

川崎長太郎の文章を読んでみたくなった。

『貧困旅行記』(晶文社) - 著者:つげ 義春 - 俵 万智による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

水曜、昨日は1時半過ぎに寝たがいつも通り8時に目が覚めた。今日も晴れ。
先週から昨日までの忙しさを抜けて仕事は一段落していた。
帰り、駅を出ると目の前に大きな月が出ていて明るかった。年内最後の満月で、コールドムーンというらしい。薄く雲がかかっていて、あっという間に隠れてしまった。
家に着いたら雲が晴れてまたよく見えるようになっていたので、ベランダに出て写真を撮った。

月曜にオンラインショップで買ったraregemの2WAY TOTE BAG Dale’sが届いていた。思ったより大きすぎないし重くなくてよかった。Macbook Proの16インチとお弁当箱が入る、底が広めで自立するしっかりした帆布のかばん。肩にかけることもできるし手持ちすることもできる。外側にポケットがあるのも使いやすそう。普段の通勤バッグとしても、山以外の小旅行にも持って行けそう。

月曜に買っておいた材料でプリンをつくった。初めて。
カラメルの加熱加減が分からず固まってしまったので、作り直した。プリン容器に注いで底にべっとり固まった茶色い塊を剥がして洗い直し。グラニュー糖40g。
いま、オーブンで熱している。明日の朝、食べることのできる状態になっていてほしい。

Footnotes

  1. 2021年末 にも同じことを書いていた。