日本未上陸の美容系サブスクリプション
最近Twitterで「My Little Box」のプロモーションツイートをよく見かける。月3,200円の、月額制コスメボックス定期便サービス。 いくらお得でも、自分に合うかわからないものがいろいろ複数セットになって届くのはちょっと抵抗がある…と私は思うのであまり心が惹かれないが、需要あるのかな?と思って調べてみたら他にも数社サービスがあるみたい。 「Bloom Box(運営:アットコスメ)/月1,680円」や「RAXY(運営:楽天)/月1,980円」など。 海外では、大人気コスメYouTuberが創設したサービス「ipsy」をはじめとして、コスメのサブスクリプションボックスが人気のようです。
月額制とか会員制とか、音楽配信や動画配信のジャンルはサブスクリプション導入する人が、自分の周りを見てると前より多くなったな〜と思うけれど、美容のジャンルのそれを使っている人はあまりみかけない。 情報収集して口コミとかよく調べて、気になったものを実際に店舗で試してみて、気に入ったら購入するというタイプが多い気がする。
日本未上陸だけど、利用できるようになったら試してみたいな〜と思うサービスが2つあります。
BEAUTY PIE
化粧品の製造・流通コストを開示して、原価で販売するECサイトです。
月額約1,100円を払って会員になると、月々の上限はありますが「工場出荷価格」で化粧品を購入することができます。 例えば、口紅1本が通常価格20ポンド(約2,900円)のところ、工場出荷価格だと2.74ポンド(約400円)で買うことができる!
商品が消費者に届くまでの諸々を削減
月ごとに会費を払う場合は最低3ヶ月継続しなくてはならないけれども、長い目で見たら経済的なんじゃないか。
なおBeauty Pieは化粧品の自社開発・製造はしておらず、創業者のマルシア・キルゴア氏いわく「世界のトップビューティブランドと同じサプライヤー」から仕入れ、Beauty Pieのパッケージで販売している。製造元は欧米や韓国、日本などグローバルに広がる。
−− 美容業界への挑戦状。ユーザー起点で社会をも変革するスタートアップたち|BeautyTech.jp より
とのことで、高品質のものをお手頃価格で手に入れられるサービスなのでは? パッケージがシンプルでかわいいのがとてもいい。
BEAUTY PIEさん(@beautypie)がシェアした投稿 - 2018年 2月月11日午前6時37分PST
care/of
悩みや目的に応じてサプリをカスタマイズし、定期配送してくれるサブスクリプションサービス です。
生活習慣や食生活、嗜好などたくさんの質問に答えることで、自分にとって最適なサプリメントが提案されます。 答えている間、全体のうちの何問目か示してくれるので、長いけどなんかがんばれる。 提案されたサプリメントはどんな効果があるか、データをもとにくわしく説明を見ることができます。
品質や信念が丁寧に説明されたページもあります。動くインフォグラフがシンプルです。 店頭販売でない分、上の「BEAUTY PIE」と同様にコストが削減されており、一般の薬局で販売されているものよりも比較的安価で購入できるとのこと。 全体的に化学っぽいビジュアルがミニマルでかわいいな。
体験レポートに載ってる、実際のパッケージや説明書かわいいな〜。
Care/ofさん(@careofvitamins)がシェアした投稿 - 2018年 6月月12日午後12時20分PDT
上の2つのサービスは、本(Amazon)や音楽・映像などと同様に卸をなくして、流通コストをカットして安く消費者に商品を提供するモデルになっている。
従来化粧品は 「ブランド至上主義」的なところがあって(これからもそれは続くと思うけど)、ブランドの世界観(ビジュアル・形・カラー)が好きで、手に入れたいとか自分をつくる一部にしたいとかの欲求で購入に至るケース が多かったのではと思う。(仕事で化粧品の案件をやったときに、上司がこういうことをニュアンスで言ってて、腑に落ちた。) そうではない物を人々に届けたいと思ったときに、何を伝えれば魅力をアピールできるかというと、 物が生まれて消費者のもとに届けるまでのストーリーや過程・ブランド理念 が大事なのではないかな、と思う。そこに 関心を持ったり共感したり「♥いいね」を高め、価値にお金を払って試してみたいと思わせる 。もちろん物自体の効果もだいじだけど。
サブスクではないけれど気になるスタートアップがもう一つあります。
Glossier
近藤聡乃さんが連載しているWEB漫画のいつだったかの回に出てきたのを見て、ブランドを知った。
美容ブログ「INTO THE GLOSS」の運営がきっかけでブランドを立ち上げ、広告は打たずにSNSでアプローチしてファンを獲得してきたブランド。
もし“黒猫メイク”にしたいからといって、デパートに行かないでしょう」とワイスは言う。「わたしならきっとYouTubeをまず見ます。それから製品レヴューをチェックして、Instagramで誰かに聞くかもしれません。こうした、女性たちが日々やっていることを勧めてくれるブランドはこれまでありませんでした。そして、誰もが『自分自身のエキスパート』であることに気づきました
−− 急成長を遂げた美容系スタートアップGlossier、その「反ブランド的」ブランディング|WIRED.jp
「パーソナライズ」とか「従来の広告通り一方的に与えるのではなく寄り添って、近い目線でコミュニケーションをとる」とか、時代に合った売り方が大事になってきているんだな、と思いました。