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「人間ドック」と「診療」

※2020年末に追記あり

「分析から改善」 の案件を今主に進めている。
そのやり方が、案件によって全然違うように感じた。 依頼の仕方が「人間ドック」と「診療」の違いのようだった。どちらもやってみて、今後何をしたいか考えるきっかけになった。

‍👩‍⚕️「人間ドック」の場合

患者担当者
「(毎月お金をもらってメンテナンスを頼まれているし、)患者をもっと健康に元気にしていきましょう!」
「とりあえず最近の傾向を見て、どうしてちょっとずつ不調になっているのか見てみましょう。どこが悪いか見つけるために、まず人間ドックで。そして治療案考えるのよろしく。」

<ToDo>

  • 検査項目を自分で決める

  • 検査結果の数値をもとに患者の状態を把握し、治療の方法案を考える

  • 患者が納得するように治療の方法と計画の説明する

<実務に置き換えたToDo>

  • どの項目を見るか自分で決めてGA分析をする

  • 数値をもとに仮説を立てる

  • 施策提案

💭

  • クライアントから直接具体的にこうしたいと依頼されるというよりは、自分から課題を見つけて提案しなくてはならない

  • 調査項目のプランニングは、専門家がいるのでは?

  • アナリストやマーケターに分析は任せたい

  • 結果から施策を考えるのは、ユーザーのことをある程度想像して、できる

‍‍👩‍⚕️「診療」の場合

患者
「ここが痛いけどきっかけも原因もよくわからない。治したい。」

<ToDo>

  • いったん、段階にかかわらず治療に関わる人々が召集される

  • 検査専門の人が状況調査などデータ収集をする

  • データを元に治療の方法提案をする

<実務に置き換えたToDo>

  • ビジネス(企画・マーケ)、デザイン(デザイナー)、テクノロジー(エンジニア)の立場のメンバーをアサイン

  • ビジネス視点の立場主導でデータを集めたり、ユーザーリサーチをする

  • データを見て、それぞれの立場から意見、できることを共有する

  • データをもとに仮説を立てる

  • 施策提案

💭

  • 調査は専門家がやってくれる方が的確だし時短

  • クライアントの思想や、ターゲットユーザー自体が自分に近いとより提案しやすい、共通意識を持って進めやすい

  • 「ここが痛い(ような気がする…とか曖昧でもOK)」という事実、「治したい」という明確な目的があることで、考えられることが思いつきやすい

「どこが痛いかわからないけどなんか痛いから検査して欲しい。薬ほしい。」 は自分には厳しかった。
薬をつくるのはできるし、この症状ならこの薬よりこっちの方が効くのでは?他に飲んでいる薬があったら飲み合わせも考えて提供できますよ!安価なジェネリックもあるよ!とか目的に合わせて提案は可能。
前段階に人を挟んで欲しい。前段階からデザイナー自身ができたらそれは良いことかもしれないけど、検査自体をできるようになりたいとは思えなかった…
※2020年末追記
→検査項目の案を出すことは可能。というか、最適な薬を出したいのであれば案を出せるようになったほうがよい。
患者のことをわかっている人、これまでの状態を見てきた人として「ここを調べてみたら何かわかるかも?」という提案をすることができる。
検査自体は専門家に任せるのがよい。ここは自分でやるよりも精度が上がるため。
課題が明確になっている患者は少ない。抽象的な悩みを抱える患者の方が多い。そういった問題に解決策を提示できるようになっていくのがよい。

同じ「分析から改善」でも、自分がやってみて感じたことが違った。これはやってみなければわからなかったことではある。
後者の時は、「改善案件面白いな!自分は得意かもしれない。」とまで思ったけど、ファシリテーターが有能だったんだと思う。
またジャンルも業界もさまざまな案件に携わってみたことで、これからもやっていきたいと思うところがわかった。

今の状況で、大事にしたいと気づいたこと

そんな都合のいいクライアントや案件なんてないだろ!とも思うけど理想に近づくためにその理想を書いておく。

①企業自体でも、ブランドでも、プロダクトでも、カルチャーが自分とかけ離れすぎていると、1ユーザーとしての感想が生かせないので苦しい。
関心があるものにおいては情報収集力や創造力が増すので、カルチャーが近いものを扱いたい。

前職で近いものを扱っていて、似た嗜好の人とばかり関わっていた。
面白いものを知って、その関連でまた面白いものを知り…興味が広がっていくのはとても楽しかった。
まだ経験がかなり浅かったため、それだけではなくて、もっと広い環境で違う価値観も知りたいと思って現職についた。
いろいろな人と一緒に働いて、尊重したり折衝したり繰り返し価値観の振り幅が大きい中で学びもあったが、もう少し自分と近い価値観の人のまわりで仕事をしたいと思うようになった。
カルチャーが近いものを扱えても、思ったようなものにまとめられないと別なつらさが出てくるのもわかる。
でも、携わっていること自体がモチベーションを保つことになるのも確か。しんどいけど悔しい方が大きいからがんばろ…と思う。

②ブランドに強い信条があったり、コンセプトがしっかりしているならば、より積極的に寄り添いたい。(まだないなら、一緒に見つけたい。)

やりたいこと、考えとか思いとか伝えたいことに対しての表現の提案はできる。
ただ、クライアント自身も明確なコンセプトが(まだ)ない場合がある。そういった場合でもイメージや雰囲気のワード引き出したり、気づかせたり方向を見出していった方が形にしやすくなる。そこがまだ弱い。うまく形にできない時は足りていない。
自分は言語から組み立てていくタイプだということは自覚している。ざっと絵をつくって確認する力をつけるか問診力を強くしていくか、いやどちらも強くすること。

③形の提案の機会が少ないのがもどかしい。
実際に手を動かす時間がもっと欲しい。

前段階の分析/比較が大事なのは十分にわかる。
最近はそれと、他部署折衝、ワイヤーやサイトマップ作成、スケジュール管理、下層ページ量産やルーティン作業が多く、デザイン自体を考える時間がかなり少ないためモチベーションが低下しつつあるのではないかと思う。まだ手数の足りなさを感じる。
複数案件あって回していた時は気持ち的にまだ良かったが、最近はそうではない…

今後のスキルセットについて

オペレーター的にやり続けていてはよくないし、デザインだけにとどまらずマネジメントやビジネスのスキルセットを増やしていくことが今後広く仕事をしていく上で必要になってくると思う。やりたいかどうかはさておき…
好き↔️嫌い、得意↔️苦手が、できる↔️できない、やりたい↔️やりたくない、を自覚して、伸ばしたいところ捨てるところ、いいバランスを見つけたい。。
自分が深めたいスキルと会社で求められることの差が大きくなってきたとも感じる。。
好きだけど苦手のところはもっと場数増やしてできるようになりたい。

(参考)

デザインスキルを見える化し、チームワークを強くしていく話|Maho Takahashi|note

スキ・キライ・得意・苦手を可視化したら、互いに成長を支え合うデザインチームができた話|宇野 雄(saladdays)|note

業務フローについて

クライアントが大きかったり代理店を挟んでいたり関わる人が多いと実現が数ヶ月後になったり、事情があり一時中断されてデザインに至らないもしくはデザインはしたけど実装されないなどのアクシデント?もあったり…形になりきらないのも苦しい。
代理店を挟んでいるとフロントに立たなくて済むけれど、クライアントやユーザーにより近い方がスピード感もあるし、直接声を拾って形にしやすいのでやりがいがあると感じる。

価値観の違いについて

工数重視は自分の生活を守るためだったり、自分の能力に対する対価の感覚を養ったりの意味では大事にして良い価値観だと思う。
ただ、そこを大事にしすぎて、時間が限られた中でもコミュニケーションとっていい塩梅でインタラクションのリッチさを求めたり、ユーザーが読みやすくて綺麗で、よりよい文字組にしたりとか細かな調整がしづらいのがもどかしい。
もっと感覚が合う人が過去にいたのも事実で、会社の方針変更や退職で関わる人が変化していくこの環境で色々手を尽くした結果(と思いたい)、いい方向にはあまりいかなかったので、環境を変えるのは自分の中でOKだと思った。前述の①にもつながる。(カルチャーが違いすぎる)

重視するものをはっきりさせて動いていくしかないと思う。

なぜしんどいのか、うまくいかなかったのか、立ち止まってちょっと時間かけないと整理できない性質なのがつらいけれども…これをやることで前向きになはっている。
頭の中で考えていることを頭の中で整理して、発話で端的に説明できないのがもどかしい。思った通りに伝わらない気がする。