Back
お盆に鳳凰三山へ行く

お盆に鳳凰三山へ行く

8月11日日曜、夕方のかいじに乗り一人で石和温泉駅まで。
翌朝甲府駅6:55発のバスに乗るためには前泊しないと間に合わない。
石和温泉に着いたら19時過ぎだったので、駅前の定食屋に入った。

A定食 にしき

家族連れが二組、カウンターにおじさんが一人、あとからカップルが一組。オリンピックでメダル獲得の速報。喜ぶ人たち。ハンバーグと生姜焼きのA定食をぺろりと食べて、目の前のイオンで地元のお酒や食料を探した。目当てのものは見つからず、何も買わずに健康ランドへ。

石和健康ランド

20時過ぎで大広間の食堂は激混み。お風呂も混んでいた。3種類のサウナ、バラエティ豊かなお風呂、外気浴をゆっくり楽しんでいると徐々に空いてきた。露天の中央にあった水晶洞窟風呂の中は独特な空気だった。リファのドライヤーが嬉しい。仮眠室で休憩。よく眠れず。

8月12日月曜、4:45起床。
身支度、チェックアウトをして昨夜0時前に到着して別室で仮眠を取っていたYとフロントで合流。1泊3080円。仮眠室ではなく、宿泊の部屋ならよく眠れただろうか。もし今度来ることがあればそうしたい。

2024年8月12日の朝

電車で甲府駅に移動。6:55発広河原行のバス列に並ぶ。かなり余裕を持って到着したので2番目。約1時間半、眠っていたらあっという間に夜叉神(やしゃじん)峠登山口に到着。降りたのは私たちだけ。みんな終点の広河原まで行くようだった。

バスで標高を上げて1380mまで来たのにすでに暑い。8:30登山開始、樹林帯を無心で歩いてまずは夜叉神峠まで。雲がほとんどない青空。

夜叉神峠 夜叉神峠から見える山々 甘酒 登山に甘酒、元気出る

途中、きのこをよく見かけるようになる。ニホンジカと遭遇。人間を恐れず、近づいてものんきに草を食んでいた。

名前がわからない花1 ガンバ きのこ1 きのこ2 きのこ3 ニホンジカ

12:50頃、苺平に到着。名前がかわいい。雲が増えてきて霧に包まれる瞬間もあり、期待できなさそうということで、景色が良いらしい辻山はスルーして小屋に向かった。

苺平 辻山からの眺め看板 寄り道せず

森のにおいが甘い。樹木の甘い香り。市販のフレグランスとかである森林の香りってぜんぜん違うよなと思う。いや、それらがどこの森をイメージしてるのかは知らないけど。さわやかさよりも甘い、と思う。あとから調べると、南アルプスはシラビソの森とのこと。それが香りのもとのよう。これ何の木だろう、ヒノキともヒバとも違う背の低い、先端の方の葉の枝につき方が平らっぽくて、モミってよく知らないけどモミっぽい、と思っていたのがシラビソだった。オオシラビソとは違う。別名アオモリトドマツのオオシラビソは北の山で馴染みがある。そっちはとても大きくて緑が濃いように思う。南アルプスは標高が高いから木の背が低かっただけかな。しかし、オオシラビソはシラビソのような甘い香りがしないような…
南アルプスの香りを追い求めて|十山株式会社

シラビソ 森を歩く 絨毯

13:20、南御室小屋に到着。すでに何張かテントはあるが、かなり余裕あり。15時頃から雨が降る予報だったのですぐにテントを立ててまずは腹ごしらえをした。ここの小屋には水場があり、南アルプスの天然水が飲み放題。とても冷たくておいしい。

テント場 ソーセージ

小屋に近いベンチのあたりだとドコモの電波がかろうじてあった。天気予報を再確認すると、17~18時が閉じた傘マークになっていた。まだしばらく降らないらしいこと確認し、先に飲み始めた。明るい時間から外飲み。雲があると少し肌寒いが、時々の日差しが暑い。

熱燗とコンビーフ、チーズ コンビーフの缶詰、ちょうどいい

16時頃撤収していったん昼寝。17時半過ぎに目を覚ましても雨は降っていなく、外で夕食を食べた。19時には床についた。

Small Twist クスクスのカレーを夕食にした

8月13日火曜、2:45起床。
昼ごろから雨が降りはじめる予報で、広河原への下山は梯子が連続する箇所があり少々急で歩きづらいと事前に見ていたので、余裕を持って早めに出発することにしていた。3時半出発。星がきれいだった。
暗闇の中稜線まで一心に登る。だんだん空が白んでくる。日が昇りはじめる前の時間が山にいていちばん好きかもしれないと思う。空の色の変わりようをずっと見ていられる。稜線まで出ると、富士山の頭が雲に突き出ていた。

ヘッドライトがそろそろ要らなくなる 富士山の頭 朝のオレンジ 富士山と自分 進行方向 いま来た道 今歩いて来た道

薬師岳を過ぎると、西側の北岳にも日の光が当たり始めてピンク色に染まった。鳳凰三山最高峰の観音ヶ岳で朝ご飯を食べつつ日の出を眺めた。台風の雲なのか?北側の雲が立体的に立ち上ったり散ったり、速いスピードで形を変えていた。

雲海 観音ヶ岳登頂 SmallTwistと富士山 ミネストローネ 朝ご飯はミネストローネとBASE BREADにした

最高峰から、これから行くオベリスクまでずっと続いている道を見下ろせた。山にいて、この道を今から行くのか/今この道を来たのかというのを見るとき、人間の足って結構すごいな、と思う。
日が昇って暑い空気になってきて、日差しも照りつける中での登りはきつかった。地蔵ヶ岳は白砂の浜辺のようで、お地蔵さんがたくさんいて、天国のようだった。

名前がわからない花2 なんとかリンドウっぽい 北岳方面 地蔵ヶ岳 砂浜のような鞍部 オベリスク

その後、高嶺まで最後の登り。高嶺に花なし。その後はひたすら下る。

高嶺

途中とても開けたガレ場が出てきて、これは霧がすごかったり悪天候だと道を探すのに難儀するな、と思った。樹林帯に入ると石がゴロゴロした柔らかい土の道で滑る。久しぶりのテン泊登山で足が限界で踏み込む力がなかったのもある。

広河原 広河原山荘のラーメン

林道に出て15分くらい平坦な道を歩き、広河原インフォメーションセンターに出た。11時過ぎ、下山。山荘でラーメンを食べて、12時発の甲府駅行のバスに乗り込んだ。2時間揺られ眠って、到着。

甲府の暑さに驚く。盆地だからか。午後2時というのもあり、空気全体がもわっと暑い。東京より暑かった。
そんな中、銭湯まで15分くらいかけて歩いていった。

喜久乃湯温泉

太宰治が新婚時代に通った名湯でもあり、脱衣所には昭和40年代の看板が一面にあります。
山梨県甲府市 | 喜久乃湯温泉 | 甲府駅徒歩13分

太宰治は8か月だけ、新婚時代を甲府で過ごしたそうだ。
銭湯は趣があり、浴場のタイルの色みがシックで素敵だった。熱い湯、加温したかけ流しの温泉(ぬるめ)、源泉の水風呂(キンキンではなく、やさしい)、70~80度のサウナ。水風呂にずっと入っていられた。クールダウン。

1時間後、外に出ると先ほどまでの暑さは和らいでいた。
太宰治僑居(きょうきょ)跡の石碑をちらりと見て、カフェで一杯飲み、17時に予約していた七賢酒蔵の居酒屋へ行く。たらふく飲み食いして最後にお味噌汁を飲み終わる頃にはねむかった。19時過ぎのかいじで帰宅。

太宰治僑居跡 酒蔵七賢

今回、わりとのんびりのペースだったのにきつかったし、久しぶりに両足のかかとが靴擦れでべろりと剥がれた。GW以降何かとバタバタしていて疲れに甘え、ストレッチや運動の頻度が落ちていたからか。元の身体の癖が強く出てしまって元通りの歪みが出ていたのではないかと思う。この靴はもう4年ほど履いていて、ここ2年くらいは靴擦れもなくやっと馴染んできたと思っていたのに!あらためて、ストレッチをちゃんとして身体を鍛えて整えるやる気が出た。森の空気がとても良くて、もっと行きたいという気力が湧いてきた。