小学校のころ、学年は35人まではいかないくらいの人数でずっと2クラスだった。小学2年生と小学4年のときは校舎の北側の、少し日当たりの悪い教室が割り当てられ、2年生のときは2階、4年生のときは3階で上下に配置される。2年2組のころ、南面の窓から下を覗き込むと中庭の池、体育館への渡り廊下、渡り廊下の奥にプールへの入口が見えた。池の横には背の高い木があり、席に座っていてちょうど木の中程からてっぺんのほうまでが見えていた。季節も気温も覚えていないけれど薄暗い日。どんよりした灰色の日の午前中、窓の外の木に、ほんの少しだけ黄みよりの白い花がたくさんついていた景色を思い出す。それまで見たことがなかった。大きい花びらで不思議な形だと思った。その木がハクモクレンだということを、2年2組のときに知った。
歩いていて知らない人の家の庭先にそのほんの少し黄みがかった白い花を見ると、灰色の日のことを思い出す。春の花だということは、大人になってから、上京してから知った。ハクモクレンを見るたびに2年2組の窓がいつも思い出される。
灰色の日、白くて大きな花びら
2026-03-17