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枯淡苑で買った本について(作家と風土)

枯淡苑で買った本について(作家と風土)

8月下旬、立山登山の帰りに松本に立ち寄って一日観光した。
下調べ不足だったが、実際街へ出て歩いてみると見どころの多い街で好きになった。
工芸や雑貨屋、古本屋が多い。たまたま通りかかったギャラリーで三代澤本寿の型染の展示を見れたのがよかった。昔からのお店と新しいお店とどちらもある。城下町ということもあるのか品があって整備が行き届いていて綺麗で、ゆとりのある街という印象。歴史的建物も残っている。街中を流れる川がきれいで、街のいろんなところに飲用できる湧水がある。(歩いたのがとても暑い日だったので余計に、冷たい水スポットがありがたく感じたのもあるが、いいなぁと思った)

GALLERY MIYOSAWA – 信州・松本 中町商店街

本屋「枯淡苑」のことを知ったのは「デジタルガーデン」のことを調べていたときだった。海外の方のデジタルガーデンからこのサイトに流入があり、デジタルガーデンって何?と調べて日本語で詳しく解説している枯淡苑のサイトに辿り着いた。機会があれば行ってみたいけど遠いなぁと思って、お店のことはしばらく忘れていた。今回松本に行くことになってGoogleMapで下調べしていたときに目にして「見覚えある字面、…あ!」と思い出して行くことができた。

新刊と古書が混じった棚から興味を引かれる本をいくつか見つけて、とくに「作家と風土/岡田善秋(1956年)」を買うことができてよかった。

近代文学を形成する10作家の発想法と創作態度を分析しながら、風土と文学の特異な関係を見事にえぐりだした新しき評論。

「作家と風土(岡田善秋)」 帯より引用

石川啄木と宮沢賢治の章が特に気になって、読みたかった。

出身は同じ岩手県だが、郷土の想い方は違っている。前者は遠くから思っていて、後者はそこにいながら思い考えている。自分は前者だ。…

「作家と風土(岡田善秋)」p27

ふるさとの山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな ーー 石川啄木

自然観と宗教観について
人神の信仰はヨーロッパ的、日本人の精神の根底には山岳信仰があること
石川啄木は文学者、宮沢賢治は科学者

夏休みに早池峰山に登った際、河原坊の駐車場から少し登ったあたりの道端に「宮沢賢治の詩碑」の看板を見つけ行ってみると、茂みのあいだの空間にぽつんと石碑が立っていた。

「山の震明に関する童話風の構想」詩碑

先月岩手を旅行してからその土地のこと、宮沢賢治のことにについて関心が高まっているので、もう少しいろいろ調べて知った後にまた書く。

ついこの間、奈良美智さんのX(Twitter)をみて、まさにこの本で読んでそう思ったことだった。

話は戻って「デジタルガーデン」について。とてもいいなと思う。他人のデジタルガーデンにもっと遊びに行きたい。このブログもデジタルガーデン的ではあると個人的には思っているが、体裁はブログだ。ある程度まとまってから、ソースを調べながら書いているので日記以外は気軽に書けていない。もっと気軽にその時々の興味関心をメモできるしくみを考えてもいいかも、と思う。