金曜18時前のこまちに乗った。この時間の新幹線に乗るのは新鮮。JR東日本の「どこかにビューーン!」を初めて使ってみた。友人に誘われて急遽行くことにして、10日前に決まった目的地の田沢湖駅に向かう。4つの駅の中で一番遠いところだったので、往復6000ポイントで行けるのはお得ではあったがそれなりに所要時間がかかる。
お盆前の東京駅は人だらけで、ざっと見てパッとお弁当とお酒を買って乗り込んだ。ビールがぬるかった、冷蔵ケースで冷える前に次々買われていったんだと思う。なぜかサッポロクラシックが売っていたので買った。おばんざい弁当をちびちび二人で分け合ってそれぞれおにぎりを食べながら飲んだ。窓の外はだんだん暗くなっていった。盛岡ではやぶさから切り離される。切り離される側に乗っていたのは初めて。いつもははやぶさで八戸に帰る。トンネルなのか外なのかわからない暗さの中、20:34、駅に着いた。降り立つと夜でも東京と同じくらい暑かった。

予約した宿は駅から車で20分ほどの田沢湖高原温泉郷にあり、送迎バスの最終便はとっくに出た後。タクシープールにタクシーがいるか不安だったので、前日の夜にタクシー会社に電話して予約しておいたのだが正解だった。送迎のタクシー以外、いなかった。駅前も道中も暗く、何があるのか何もないのか全くわからなかった。標高を上げて温泉街の雰囲気になってきたと思いきや、一番大きそうな「駒ヶ岳グランドホテル」は窓が割れて廃墟になっていた。2022年秋から長期休館しているらしいが、サイトはまだそのままある。建物があれでは再開しそうにない。他にも営業していなさそうな建物が多い。全体的に寂しい。
宿に着くとちょうど外で子供達が花火をしていた。夏休みっぽい。チェックインすると夜泣き担々麺が始まったところだったので食べた。黒胡麻が濃くておいしい。おばちゃんがワンオペで対応していた。

内湯で体を洗った後、少し離れたところにある露天風呂にも入りに行った。ちょうど人と入れ違いで貸切状態、目が慣れてくると星がよく見えた。天の川のようなモヤモヤまで。夏の大三角はもちろん地面に近いところまでたくさんの星が見えた。その日は就寝。
翌日、6時前に目が覚めた。山に雲はかかっていない。

朝ごはんのビュッフェは6:30からということでその時間に合わせて登山の身支度をして部屋を出た。地元食材を使ったご飯がいろいろあり、こういうとき気になったものは全部食べたくなってしまうたちなのでつい食べすぎた。秋田黄大豆のフムス、大豆カレーが美味しかった。
宿から、バス停のあるアルパこまくさまでは徒歩10分。7:42発駒ヶ岳八号目行きのバスへ乗る。乗車率7,8割といったところか。マイカー制限のある道で、許可証のある車だけ通行が許される。バスの後を2台乗用車が着いてきた。山道は細くうねっていて、八号目まで連れていってくれるバスがありがたいなと思った。

八号目までくるともう空が近い。高い木がほぼない。阿弥陀池まで行って男女岳に登り、横岳・焼森を通る周回ルートを予定している。

登り始め、登山道はよく整備されていて傾斜もそこまできつくはない。片倉岳展望台から田沢湖を見下ろす。全体は見えない。湖面に雲が映っていた。
中央あたりの尖ってる山については後述
ワレモコウ?
木道の平原、お花畑の中を歩くと奥に阿弥陀池と小屋が見えた。その左の斜面を行くともう頂上。お手軽にこんな景色のところまで来れる東北の山はすごい。阿弥陀池にはおたまじゃくしがたくさん泳いでいて、もうカエルになっている奴もいた。
田沢湖が全部見える所まできた
これから登る斜面
青空が覗く
頂上までの道
9:39、秋田駒ケ岳の最高峰、男女岳に登頂。1,637メートル。岩手山が近い。中腹から上は完全に雲に隠れていた。火山活動のため2024年10月から規制されていた登山道が、7月1日にやっと解除されて通行できるようになったそうだ。
岩手山の入山規制解除について | 岩手県山岳・スポーツクライミング協会
男岳方面(多分)
トンボがめちゃくちゃいた。指に留めたいY
池まで戻ってきて少し休憩、登り返して横岳分岐。横岳から国見温泉のほうに抜ける道は火山らしく、黒い道で遮るものが何もなかった。遠くに人が歩いているのが見えた。国見温泉の湯は緑色で珍しいらしい。いつか行ってみたい。
火山の噴火跡を感じる
1970年代に女岳が噴火したそうだ

焼森から下りの景色が美しかった。緑の大地。ずっと、特徴的な尖った山が見えていて、Yは「あれが乳頭岳なんじゃないの?」と言っていたがAR山ナビと照らし合わせると「烏帽子岳」と出ていた。後から調べると、岩手側からの呼び名を烏帽子岳、秋田側からの呼び名を乳頭山と言うらしかったのでYの言うことは当たっていた。たしかに乳首の尖りだった。秋田駒ヶ岳から縦走するルートのほか、乳頭温泉郷から登山道があるらしく、こちらもいつか行ってみたい。
中央左の尖りがそれ
鎖場をいくつかすぎて八号目の駐車場まで戻ってきた。湧き水の水場がありがたい。飲み干したペットボトルに冷たい水を汲んだ。ちょうどよく下山のバスがあったので乗る。秋田駒ヶ岳は花の時期もいいが、紅葉の時期にムーミン谷へ今度また行ってみたいと思う。

アルパこまくさの温泉で汗を流したかったが、露天風呂が故障中な上に次のバスを逃すと、2時間も湖畔に出るバスがないようで微妙な時間だった。温泉に入るのはやめてまず湖畔に出ることにした。昨日の夜買った余りのカツ卵サンドを食べながらバスを待つ。
バスに乗ってすぐ、田沢湖高原温泉郷より標高を下げたところに「水沢温泉郷」がある。知らなかった。ロッジやペンションが多くあり、スキーの時期は賑わっていたのだろうな、という雰囲気だった(もちろん今も営業している宿も複数ある)。
バスの車窓から、何もない草原の傍の林の中に馬の銅像らしきものがあるのが見えた。調べると、かつて田沢湖高原にあった秋田駒の牧場の歴史を伝えるものということがわかった。このXのポストと地元町内会のブログくらいしか記述が見つけられず、ネット上にはほぼ情報が落ちていなかった。このあたりは名馬の産地だったのだなぁ。


去年の6月にも田沢湖の辺りに来たのだが、はちみつ屋と辰子像くらいしか観光しておらず、ほぼ通り過ぎたに等しい。今回はあんまり下調べせず何となく湖畔の方に来た。雨雲レーダーが数分後のザーザー降りを示したのでレストハウスでしばらく雨宿りがてら買い物した。
味噌たんぽ。Yはあたりを引いてソフトクリームをもらった

雨上がりに湖の近くまで行き、やることもなかったがせっかくなのでスワンボートに乗った。浅瀬は澄んだエメラルドグリーンで、魚がついてくるのがよく見えた。少し先まで行くと深い瑠璃色になった。漕ぐ足を止めていると遠くのジェットスキーが起こす波に煽られて怖いので少しずつ進んでいた。日本一の深さを誇るカルデラ湖ということでなんとなく怖い。スマホを落としそうで怖かった。暑かったのでさっき売店で買った秋田杉のジンソーダを飲んだ。針葉樹林が広がる山の斜面と湖。ヨーロッパの高原に来たような、日本じゃないような景色だった。昔、「田沢湖スイス村」というのがあったのも頷ける景色だと思った。1988年開園で2001年閉園。親に聞いたら自分も幼少期行ったことがあるようだが何も覚えていない。とうほくニュージーランド村(現岩手県奥州市にかつてあったテーマパーク)の記憶はある。ウェスパ椿屋(かつて青森県深浦町にあったヨーロピアンな観光施設)にスロープカーというものがあったが、田沢湖スイス村には同じようにリフトカーがあったらしい。
田沢湖スイス村 ~歴史短し敷地に広し~│全自動さじなげ委員会
さっき登った山
針葉樹林
錆びたスワンの首
美味しかったのでお土産にも買い足した

30分の間小雨に降られることもあったがザーザー降りになることはなく、桟橋に帰還。
次のバスで、乳頭温泉郷へ行ってみることにする。宿のある田沢湖高原温泉郷よりももっと山の奥の方にある。日帰り入浴の終了時間間際で、悩んだ末に大釜温泉に行くことにした。乳頭温泉郷には7つの温泉宿がありそれぞれ泉質が違う。同郷出身で温泉好きのYと一緒でよかった。宿にも温泉はあるけど交通費と入浴費をかけてまで別の温泉に行こうと言ってくれて。
乳頭温泉郷で一番有名な鶴の湯は幼少期行ったことがありうっすら記憶がある。街から温泉郷までの道中分かれ道があり、路線バスでは行けない。行き止まりにあるその宿までは予約必須の専用送迎バスに乗るかマイカー、あとは徒歩でしか行けない。路線バスの停車駅に「鶴の湯旧道入口」があり気になって調べたらかつての徒歩でのアクセスルートだったよう。山道で、一度谷底に降りて吊り橋を渡ってまた登る結構過酷なルートのよう。
鶴の湯温泉
鶴の湯峡
大釜温泉は「酸性含ヒ素ナトリウム塩化物硫酸塩泉」という泉質で聞いたことがないものだった。熱い。源泉が熱いため水もドバドバ入れてちょうどいい温度にしているようだった。露天風呂は内湯よりは入りやすいが、アブなのかハチなのかが寄ってきて鬱陶しかったので早々に退散。熱い内湯と水シャワーと休憩を何度か繰り返した。上がった後は喫茶室兼休憩室で涼んだ。宿の方にお水を持ってきていただいてありがたかった。閉館時間を過ぎているのに気が付かず長居してしまった。一つ下のバス停からバスに乗って宿に戻った。他の温泉も気になる。今度は泊まってみたい。
先達川。川を山側に進むと、一本松温泉というかつての温泉場跡地の野湯があるそう。それ以外にも川沿いに野湯がいくつかあるよう
朝食のみのプランで予約していたが、追加料金で夕食もつけられるとのことだったのでそうした。周りにお店がほとんどなかったのでつけることができてよかった。夕食も県産食材を使った色々なメニューがあってまたつい食べ過ぎた。飲み放題にしなくてよかった。一杯だけ(中瓶1本)飲んで十分になった。
とんぶり、鰰、菊、いぶりがっこ、山菜など、秋田らしい
早々に部屋に戻って20時すぎくらいにもう寝るかぁと浴衣でゴロゴロしていたら火災報知器のサイレンが鳴る。飛び起きていつでも出られるように準備していたが、内心は誤作動だろうと思っていた。でも一応準備して。結局誤作動で何事もなかったのだが、眠気はどこかに行ってしまいしばらく一人でネットサーフィンをしていた。そして22時半過ぎ頃就寝。
日曜朝、6時頃起きて露天風呂へ行った。ここでも貸切でしばらくゆっくりしたあと朝食会場へ。セーブしながら食べて、食後コーヒーを飲んで部屋に戻ってしばし休憩。チェックアウト後、9時の送迎バスで駅前まで行く。
途中、緑の山の合間から金色の観音像が頭を出していた。結構大きそう。調べてみると、かつて田沢湖スイス村を運営していた会社が建てたものらしい。節税目的の宗教法人で地元では反感を買っていたとか…建物は今は残っているんだろうか?
田沢湖大観音
新幹線の時間まで少し余裕があったので、徒歩7分の地元スーパーへ。自動ドアに「おかえりなさい」と書いてあり、お盆だなぁと思った。じゅんさいや地元の麺つゆ、稲庭そうめん、地元産のソーセージ、田沢湖ビール、地元製パン店のスイーツなど買う。10:14の新幹線で帰路。
着いたときは暗闇だった駅前ロータリーと自分。山に囲まれていた
クリームが軽く、バナナがゴロッと入っていて美味しかった
弾丸だったが存分に楽しめた。充実していた。2人ともペーパードライバーだったので、行きのタクシー以外公共交通機関移動だったのもあり行き先が限られ、時間的余裕がないと乗らなかっただろうスワンボートにも乗れてよかった。都内に戻ってきて中央線のグリーン車に乗り、家に着いたのが15時前で、すごくいい週末だったなと思った。どこかにビューーン!をまた利用したいと思う!