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リソグラフの本

リソグラフの本

表参道ヒルズで開催されていた「OMOTESANDO HILLS ART WEEK 2018」に目当ての個展を見に行く途中、本館の中を見ると、階段の吹き抜けスペースにショップが出ていて足を止めました。

神戸のアートブック・デザイン関連の書籍を扱う「storage books」という本屋さんでした。 赤と青の装丁が目に入り手に取った本。 一目惚れして買いました。

ブラジルの出版社「Meli-Melo Press」が出版している本でした。 リソグラフ印刷のものとのこと。孔版印刷の一種。中は全4色。 幾何学の連なりのように見えて細部は有機的で均一・対称でない。 図形の数の並びに規則性があったり、同じように見えて単純な複製でなかったり、等しく分裂を繰り返していたり、規則正しい整列でなかったり、かたち自体の面白さが一つ。 版のズレ、インクの重なり、版自体のレイヤーの上下の重なり、印刷による予期しない表現の面白さが一つ。 コンピューターで版をつくっているのか?図形を切り貼りして手が介入しているのか?描いているのか?どうやって作られているか想像するのも面白いです。 余白、抜きのつくりかた、地と図の関係。 シンプルな直線と曲線・たった4色で1ページ1ページの印象がそれぞれまったく変わります。

作者はブラジルのグラフィックアーティストDavid Galasse氏。ポートフォリオサイトで他の作品もみてみたら、Tumblr色ある感じのCG、コラージュ、インターネットカルチャーなグラフィックがいっぱいで好みでした。