Sylvia Bataille / AUTOROUTE
先日、恵比寿のPOSTでシルビア・バタイユの個展を見ました。 東京都写真美術館で開催していた「アジェのインスピレーション ひきつがれる精神」に向かう道中に立ち寄って、偶然にも見ることができたのですが、とても引き込まれました。
彼女はフランスに生まれ、現在はパリを拠点に活動しています。まるで写真のように緻密に描かれた作品群は銅版画のメゾチントが用いられ、車の疾走するモチーフとは対照的に、静寂で、ある種の狂気をも感じさせます。これらのランドスケープは、フェティシズムに近い彼女の心象風景を的確に表現するためのモチーフとして2005年から継続して制作されているものです。
POST - [Exhibition] Sylvia Bataille / AUTOROUTE より
© Sylvia Bataille
© Sylvia Bataille
写真でなく銅版画であることにまず驚きました。彼女のフィルターを通して見て、写真では表現できないものを強調する手法として銅版画が用いられています。躍動的なシーンなのにその瞬間の静けさがなんとも不思議です。進行方向、視線の方向、目線の高さ、助手席、光、…要素にとても惹かれました。 十和田市現代美術館のハイウェイレストランの装置に入った時の感覚が思い出される展示でした。