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青く仄明るい夜に歩く

夜、雪道、拍子木を鳴らして歩く。
空気は冷たいが、雪の湿度のせいか歩き続けているからか、不思議とあたたかい。


町内に屯所があった。家から走って30秒くらいのところで、近所だった。
冬休みに入ってすぐ、クリスマスの少し前あたりのこと、火の用心の夜回りのために屯所に集合する。
夜ご飯の前の時間だったと思う。
帽子をかぶって手袋をして、温かい格好で町内の子どもたちが集まる。20人弱くらいは集まっていたと思う。

「火の用心 マッチ1本火事の元」
2列になって順番に大きな声で掛け声をかけながら、拍子木をみんなでカンカン、と鳴らして町内を歩く。音は雪に吸収されて響かない。
ガスコンロやストーブの不始末、寝タバコに気をつけて、といったフレーズもあった気がするけど正確には思い出せない。
夜だけど、雪で青く仄明るい。住宅街で、街灯はまばらで暗かったはずだけど雪の日は明るかった。その景色のことをよく覚えている。

冬休みになったばかりでまだ休みがたくさんある!これから、というときのうきうきした気持ちも思い出される。
12月になって、年末の慌ただしさの中で思い出したこと。